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あれから数ヵ月。
あの日、僕にはシロップと言う名前がつきました。
毛の色が白いから、最初はシロって名前を純くんが付けようとしたけども、それじゃあ単純過ぎて嫌と、花純ちゃんがシロップと命名しました。
初めの内は、トイレの場所が解らなくて廊下で粗相をしてしまったけども、優也くんに叱られて、花純ちゃんと純くんにトイレの場所も教えてもらいました。
「それじゃあシロップ~。花純行ってくるね」
行ってらっしゃい
「元気でね?」
長い別れじゃああるまいし。僕は健康ですよ。
「「「行ってきます!」」」
三兄妹の声が重なって、みんな行ってしまいました。
あの兄妹は本当にみんな仲が良い。
さてさて。僕は日課になった日向ぼっこをしようと、窓際へと移動した。
でも、生憎の曇り空。
この家で一番大きい窓からも光は入って来ません。
「シロップ。残念ね。今日は曇りなの」
そう言って僕を抱き上げるのは、お母さんの結花さん。お父さんは純也さんと言います。
本当に残念ですよ
と言う僕。
「さて、じゃあ今日は私と一緒に家事をしましょうか」
そうしましょう。
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