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ジャーっと、温かいお湯を身体に浴びせられる。
さっき知ったことだけれども、女の子の名前は花純。背の小さい男の子の方は純。大きい方は優也と言うらしい。
僕は花純ちゃんと純くんに身体を洗ってもらっている。
「猫ちゃんあったかいあったかい」
笑顔でそう言う花純ちゃんに悪意はないのだろうけど、目にお湯が入って痛い。
「花純。そろそろ綺麗になったと思うよ」
「うん。わかったぁ」
お湯が止まると、純くんは真っ白なタオルで僕の身体を拭く。
とても気持ちよくて僕は鳴く。
「純兄ぃ。花純も猫ちゃん拭くー!」
そう言って半ば奪う様に花純ちゃんは純くんからタオルを取ると、ゴシゴシと僕の身体を拭く。
「猫ちゃん気持ちいい?」
痛いですよ!
同じ子でも、まだ花純ちゃんは加減を知らない様で、気持ちいいどころか痛かった。
でも、不思議と何も悪意がないその女の子を怨むことを、僕は出来なかった。
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