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「いやぁ、天気悪いですねー帝(みかど)さん」
なかなか体格の良い、20代の男が、少し恐る恐る
まだ10歳前後と思われる少年に話しかけた。
「そうみたいだね」
少年…帝もそれに慣れているのか、当然のように若干身分の高そうな答え方をした。
「帝さん、お茶をどうぞ!」
「帝さん、予定ではあと20弱で到着だそうです」
他の大人も、帝をまるで金持ちの御曹司のように扱っている。
「……20分か…」
そう言い終わるか否かの時に、飛行機の機体がぐらりと傾いた。
大人たちは、天井に腰を打つ。
「…!」
帝は、何故か宙に浮いていた
無重力でも働いたのだろうか
いや…
これが、帝の一つ目の力だ
「大変です!パイロットが…」
言い終わる前に世界が再び回転し、ぐるりぐるりと地上に近づいていく感覚を帝は、体感した。
咄嗟に、飛行機全体に『対重力負荷』をかける
そして、機体は墜落した。
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