建物と寅さん

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「始末書は書いたし、記憶も消した!」 「だが帝!お前は一般人をスーパーマンにしたんだぞ!?」 「仕方がなかった!余波を受けるほど波長の合うこいつが悪いんだろ?」 帝と30代後半くらいの男性が言い合っている 「寅さんだって、始末書書いたら良いって言った!」 「余波を受けた話は聞いてないがな。」 帝は、ばつが悪そうにサラサラの茶色い髪に手をすかした。 「だっ……」 「はいはい。もうわかった。 ほら、青年が目覚めた」 ソファに横たわっていた由紀が、うっすらと瞳を開けた。 「わりぃねあんちゃん。 五月蝿かった?」 覗き込むように寅さんは由紀を見た。 由紀は瞳を大きく見開き、そのおっさんを見る。 「……だれ…?」 「オレ? 千田寅吉。通称寅さん。 この、SPH研究所の… 東京支部のメンバー。」 「SPH……なに?」 それを黙ってみていた帝が 急に口を開いた 「(S)スーパー(P)パワー(H)ヒューマン研究所。」 由紀のみけんにシワが寄る 「……は!?」 「話にならない」 帝はあきれたように立ち去った
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