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私はこのまま出られないんだ。
助けになんて誰もこないよ。
だって、屋上は立ち入り禁止だもん。
私の頭はそんな事でいっぱいだった。
私はうずくまった。
もうここから出られないんだ。
由紀「ならば、いっそのこと死んでやる!」
私は呟いた。
由紀「死んでやる…死んでや…。ん?そうだっ!」
私はあることに気づいた。
それは…【ここは屋上だ】ということ。
私は立ち上がって、フェンスに近寄った。
由紀(ここから降りられる。)
少し触れるだけで、フェンスは折れそうだ。
下を見ると、結構距離がある。
由紀「今更怖くなるなんて…。」
脚が震えていた。
もし降りて、死んだらどうしよう?
おばあちゃんが心配するに決まってる。
でも、ここから降りないと。
おばあちゃんが心配する。
由紀「これ以上、おばあちゃんを迷惑かける訳にはいかないよ!」
私は叫んだ。
当然、返事が返ってくるわけない。
桃城「なにやってんだよ!」
いきなり声がした。
私はびっくりして声の主を見ようとして…。
―キィ…ガタン…
フェンスを思いっきり押してしまった。
由紀「…えっ?」
冷や汗が流れたのも、遅かったみたいで。
こういう事なら悔いがない生活がしたかったな…。
そう。私は屋上から落ちたのである。
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