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チチチ…
朝、小鳥のさえずりが私の耳に聞こえてきた。
と、同時に聞き慣れた声がする。
文江「由紀ー!起きんしゃいっ!」
橘文江(たちばな・ふみえ)私のおばあちゃんだ。
由紀「はーいっ!今起きます!」
私は元気よくおばあちゃんに返事をした。
そして私は制服に着替えて、台所に移動した。
文江「由紀や、今日の朝ごはんは、由紀の大好きなオムライスだよ。」
私は目を輝かせた。
おばあちゃんの言うとおり、テーブルには、旗つきオムライスが置いてあった。旗にはおばあちゃんが書いた字で「今日も頑張りんさい!」と書いてある。
由紀「ふふっ。」
私は微笑んだ。
私はやっぱりおばあちゃんが大好きだ。
親に捨てられた私は、おばあちゃんの家に暮らしている。
今もずぅーっとおばあちゃんと一緒にいる。
親の顔は見たことがない。
由紀「…お母さん。」
私は呟いた。
すると、おばあちゃんが
文江「心配なさんな。」
と言って、私の頭を撫でてくれた。
文江「ほらほら。大丈夫だよ。」
おばあちゃんは私が泣きそうなのを必死で慰めようとしてくれた。
文江「由紀の大好きなオムライス、冷めてしまうよ。」
そう言うと、おばあちゃんは私に
文江「お母さんは由紀を嫌いなんかじゃないよ。むしろ、由紀が大好きさ。」
と言ってくれた。
いつでも優しいおばあちゃん。
私を育ててくれたおばあちゃん。
由紀「…おばあちゃん、ありがとう。」
恥ずかしながらも私はおばあちゃんにお礼を言った。
おばあちゃんの顔は、微笑んでいた。
由紀「いただきます!」
そして、大好きなオムライスを食べ始めた。
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