タケの場合

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アタシのカレシは― 良く言えばドS、悪く言えば鬼畜。 あれ? かわんなくね? きっとタケは鬼畜寄りのドSなはず。 いや、そうだろう。 あれはある日のことでした… 『なー、腹減った、メシ』 『う、うん、何食べたい?』 『オムライス、サラダ付きな』 ドレッシングは青じそで、と続いて。 『わかった、すぐに作るよ』 と言ってキッチンに立てば後ろにピタリとくっついて、そしてアタシの弱い重低音ボイスで囁く。 『15分で作んねーとお仕置きな』 むりですよ。 そんなのむりにきまってるじゃないですか。 でもまあそこは気合いで。 なんとか頑張って15分以内に作ってテーブルに運べば 『やっぱナポリタン食いてぇ、作れ』 お   ま   え  。 アタシはしばらく呆然と立ち尽くす。 『オラッ、早く作れよ、それとも… お前を食っちまって良いのか? まあそれならそれでも良いんだがな、俺は。』 ばかやろおおお! 良いわけあるかーい! まだ19時。ゴールデンタイムですよホントにもう。 頑張ってナポリタン作りました。 まあ結局アタシも食べられたんですがね。 デザートだとか言って。 なんにしろ美味しく頂かれました(二重の意味で)。
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