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「ほら」
ミャアが乱暴に俺の前にハンカチを差し出す。
「……ミャア。優しい……」
「お前なぁ!」
うわぁ。蹴りが来る!蹴りが!
……あれ?
「はぁ。……もう、いい。好きに呼べよ」
呆れたように溜め息をつくミャア。
「ミャア!大好きっ!めっちゃ好き!!俺のことは木葉って呼んでぇ」
「うわっ!うぜっ!抱きつくな。バカっ!キモい。死ね!!」
酷い。
でも、そんなミャアが好き。
ドMな俺。
「ミャアが同室で良かった。ミャア好きぃ。毎日、耳元で愛を囁いたる!」
「キモウザすぎる!くたばれ!バカ木葉!!」
「プギャアアア!」
今日一番の蹴りを頂きました。ホンマにありがとうございます。
でも、名前で呼んでくれたから悔いはない。
マジで死にそうやけど。
ミャアってば、マジでツンデレ。
ガクッ。
この時の俺にはまだ、これから起きる学園の大騒動の中心になるなんて思いもしなかった。
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