幸せですがなにか

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台所に立つ。 (台所が死語なのは知ってる) まだ住み始めて1ヶ月も経っていないであろうこの家も、段々慣れて来た。 慣れた手つきで二枚の食パンをトースターにしまい込み、スイッチを押す。 パンが焼ける間にココアを作る。 ‥いや、その前にコーヒーを作ろう、なんて考えるのは なるべく暖かいココアを貴方に飲んで欲しいから。 慣れた手つきでコーヒーをいれる。ほろ苦いコーヒーの香り。 作り終えた頃にパンが焼けた。 うん、焦げなかった。 まだココアは作らない。 先に貴方を起こしてからにしよう。 寝室に戻ると、さっきと同じ格好の貴方。 「可愛い‥」 思わず呟いてしまった。 これをあなたが聞いたら、可愛くねぇ、って言うんだいつも。(可愛いに決まってるのに) 熟睡してる彼を優しく揺さぶる。 「雨くん、おはよう。ご飯できたよ」 「ん…ぅ‥おはよ、」 「パン、できてるよ」 「うん、ありぁと。すぐ行くね」 本当にすぐ来てくれるのは、あなたの優しさ _
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