so voice

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街の真ん中 変装っていう変装もしないで ぼーっと立ち尽くす ふと気が付くと 日が落ちて消えかけていて。 まるで 俺の気持ちのようだった また今日も 夜は始まるんだ "もしもし、雨?" "うん、" "いつもんとこ来て" "えー‥‥とおい" "徒歩十分が何言ってんの" "ばれたか、ふふ" "ばれないとでも思ったか" いつもの待ち合わせ場所 俺ん家から徒歩五分 雨ん家から徒歩十分 俺が勝手に決めた時計台 雨のほうが遠くても 絶対来てくれた、優しい雨 「‥近付けないな、なんか」 あまりにも思い出深過ぎて 遠回りばかり。 情けないにもほどがある 沈み続けて 後少しで完全に無くなる、陽。 朱と蒼のコントラストが やけに鮮明に映った 黒い蒼に侵される、朱 あと十五分もすれば朱は消える 朱も消えて、蒼も消えて、 黒が生まれる 街の明かりが輝くたびに 立ち止まる俺の心は、 あいつだけを残して バラバラに崩れ始めていた _
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