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「じゃあ、行ってくるね!」
「うん、行ってきな」
「なにそれっ!」
お別れの日。
今日で雷とはバイバイ
でも寂しいのは俺だけなのかな、雷は全く泣いてくれない。(俺なんか昨日、雷と電話しながら大泣きしたのに)
まぁ雷はそーゆー人だし、気にしない気にしない!
二人で電車を待つ。
寒くて寒くて、
さりげなく雷の手を掴んだ。
そしたら雷もやさしく握ってくれた。(うれしい!)
「くふふっ‥あったかい!
でも雷の手冷たいぃ」
「だって寒いでしょうよ」
そう言いながらでも指を絡めて握る手は、確実に熱を帯びていた
「手が冷たい人ってね、
心があったかいんだよ?」
「‥‥ふふ。そうですか、」
「うんっ!」
「‥‥」
たしかに雷は心があったかい
やさしい可愛い大好き!
そんなこと思いながら雷のほう見て笑ってたら、
気持ち悪いってデコピンされた。
地味に痛かったけど、
雷は笑ってた
馬鹿じゃないの、って。
それが、何よりも嬉しかった
電車が来るまであと10分
俺と雷のタイムリミットも、
あと10分しかない。
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