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抱きしめた体は
あまりにもちいさくて、折れそうだった。
映画もドラマもCMもバラエティも頑張りすぎてるからだ。
それでなくても少食なのに、このままじゃ病気になりそう。
少しでもそんな雷が安心するように、背中を優しく叩いた。
「緑、さっ‥」
「‥泣いていいよ‥?
いっぱい泣いていいからね、」
「‥っあ、‥ごめ、っ‥」
「うん。うん。言いたいこと全部言いなさい!」
声を押し殺して泣く、雷。
それを抱きしめる、俺。
周りから見たら男同士で何してるんだって感じだろうけど、
俺の大事な恋人だから。
雷の悲しみは、俺の悲しみなの
「緑さんが、足りない‥っ!」
「うん」
「‥もっと、
っ‥一緒に居たいっ‥‥」
「‥‥うん」
「隣にっ‥い、いてよ‥!」
"隣にいてよ"
わかってたよ、
雷が寂しがってくれてるの。
初めて聞いた雷の本音
でも、それは‥
それだけは叶えられないよ‥
ごめんね、雷
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