果報は寝て待て、

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「心配しなくても浮気はしませんっ‥てかできません」 アナタが恐すぎて 口には出しません、(アナタが恐すぎて) 「うん、そうだよね‥うん」 そう言って紫は自分の荷物をさっさと片付けて、マネージャーの待つ車へと歩き出した。 待ってください、俺まだ用意してません そそくさと帰る用意をして、 やけに小さく見える紫の背中を追い掛けた。 「急にどうしたの?」 車の前で紫に追い付く。 今日の紫の明らかにおかしい態度に疑問を持たないわけがなく。 「いやっ‥まぁ‥さ、‥」 「なになに、気になるじゃん」 「気にしなくていいよっ、」 「えー‥」 どうやら言いたくないらしい ‥可愛いなぁおい 俺よりちょっと高い身長 整った顔立ち 長い睫毛 ひどく官能的な唇 凛々しい眉 口元のほくろでさえ格好よくて。 「いつの間にか大きくなって‥」 「え?」 「いや、昔は雷より小さかったのにな」 「まぁ、成長期ってことだよ」 「それ以上大きくならないでよ?」 「なんでだよ」 「彼氏の俺よりでかいのは、嫌かなぁ‥なんて、」 「ははっ、それだけ?安心しな、もうさすがに伸びないよ」 「そうだな、」 ははっ、と 笑いながら俺の頭を叩く紫に ちょっとだけ。‥(いや、かなり)羨ましいなと思った _
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