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天下統一を果たした勝頼は勝頼は甲府に凱旋した。
勘助も大坂城に帰城した。
勘助は休む暇もなく勝頼の征夷大将軍の官位即位の為に、京都の曾根内匠の元と大坂城を行き来した。
その間に娘の茶々が真田幸村に嫁ぎ、お初は宇喜多秀家に嫁ぎ、お江は徳川秀忠に嫁いだ。
勘助とお市の子の才蔵も元服を迎える歳になっていた。
才蔵の烏帽子親には、兼ねてからの約束通り信勝がなった。
勘助は今日も慶次一人を伴い京都の曾根内匠の元に向かった。
勘助を迎えた内匠は、顔をほころばせ
「山本殿朗報で御座る」
と勘助に告げた。
「決まりましたか」
「帝より使者が参り、正式に決まりましたぞ!」
「お館様には」
「すでに書状を携えた使者を向けました」
「さぞ喜ぶ事であろう。だがこれからの準備が大変で御座るな」
「お館様の為ならば何ほどの事も御座らぬ」
「そうで御座るな!忙しくなるが共に頑張りましょうぞ」
勘助は言い、内匠の両手をがっちりと握った。
その後も勘助と内匠は忙しい日々を送った。
そして翌年の四月、桜の花が咲き誇る京都二条城に於いて勝頼の征夷大将軍官位即位の式が行われる事が決まった。
その知らせは全国の小大名に知らされた。
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