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翌朝、勘助等は板垣信方の屋敷に向かった。
屋敷で信方に面会した勘助は、庵原安房守から渡された信玄宛の紹介状と信方宛の書状を差し出した。
自分宛の書状を一読した信方は、勘助に
「先ずは当屋敷にて休まれい、某は庵原殿からの紹介状をお館樣に届けて参る」
「かたじけのう御座います」
勘助は頭を下げた。
勘助と才蔵は、信方が用意した客間に案内された。
「師匠、仕官は叶うでしょうか」
「信玄公は外見で人を判断する様なお方では無いと聞いておる、それよりも才蔵、読み書きをの勉学をせぬか」
「はい、師匠宜しくお願い致します」
二人は読み書きをの勉学を始めた。
板垣信方は、庵原安房守から預かった勘助の紹介状を持って、躑躅ケ崎館の信玄の元に向かった。
信玄と対座した信方は庵原安房守からの紹介状を信玄に手渡した。
紹介状を一読した信玄は信方に
「どの様な男である」
と問いかけ、勘助の印象を聞いた。
「隻眼で片足も悪く、見栄えはすこぶる悪う御座いますが、庵原殿によれば、軍学、築城、剣術、天文学に長けた希に見る男だと評しております、庵原殿が申す事に間違いは無かろかと存じます」
「そうか、見栄えはすこぶる悪いか、ははは、それで義元殿に気に入られなかった分けかよし会ってみよう」
信玄は信方に、明日引き連れて来る様に命じた。
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