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川中島から戻った信玄は、家臣団の前で才蔵を呼び
「山本才蔵をこれよりは、二代目山本勘助と改め、先代の軍師の役を引き継がせるものとする」
と宣言したのである。
二代目 山本勘助の誕生である。
山本勘助この時二十一歳であった。
信玄は内政に外交にと積極的に動き回り、その横には常に勘助の姿があり、信玄から様々な教えを授かっている。
そんな中、今川義元が尾張の織田信長に桶狭間に於いて討ち取られたとの報せが届いた。
信玄は近習に勘助を呼ぶ様に命じた時には、既に勘助は、信玄の部屋の前まで来ており、信玄に入室の許可を得て。信玄の前で座をただした。
信玄は、近習を下がらせ
「今、そなたを呼ぼうとした所じゃ、今川義元の事は聞いたな」
「はっ、その事で御館樣からお呼びが掛かるものと思い参上致しました」
「早速だが勘助は今後の動静についてどう思うか述べてみよ」
「今川氏真殿の御気性から考えますに、織田信長に対しての弔い合戦は致さぬと思われます、それよりも今川の元を離れた松平元康(後の徳川家康)の動きの方が気になります、必ずや今川領を奪いにかかると思われます」
「うむ、わしの考えと同じであるな、しからば武田家はどう動く」
「暫くは様子見ですが、松平元康が今川領に侵入する前に武田軍が先に侵入する必要が御座います」
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