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「皆!川下に走れ!」
大将各の子供を先頭に、一斉に子供等は川下に向かった。
川下の仲間と合流した子供等は、川上の子供等と対峙した。
川上に回った子供等の人数を差し引いた此方側の子供等は、相手側の半分であった。
相手側の大将各の子供は、既に勝ち誇った表情で、声だかに言い放った。
「俺達の勝ちを認めろ!この川は勝った俺達のものだ!」
此方側の大将各の子供は
「良いだろう、この川は勝った方のものだ!」
「負けを認めるんだな」
「それは、お目っちの方だろう!」
と、言った切な、川上に回った五人の子供等が、川向こうの子供等の後方から襲い掛かった。
目に見えぬ、後方からの攻撃は実際の人数の数倍にも感じられるものである。
川向こうの子供等は、挟み撃ちにあったと気付き、後方を確認もせずに、一目散に逃げ出した。
此方側の子供等の見事な勝利であった。
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