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勘助は一人感心して、子供等の喧嘩を見ていたが、この作戦をどの子供が考えたのか、振り返ってみた。
(あの大将各の横にいた子供か?)
勘助は、我知らず子供等の後を追っていた。
大将各の子供と勘助が目に止めた子供は、一軒の農家に入って行った。
勘助は、引き込まれる様に、その農家に入って行った。
勘助を見た農家のお上さが驚いて
「な…何の…ご用で御座いますか?」
と、震えながら聞いた。
勘助も、我に返り
「いや、済まぬ、怪しい者では無い、今帰った子供に合わせては貰えぬか?」
「うちの子が、何かしましたか?」
お上さんは、更に恐怖が増した。
何せ、勘助の風貌は前にも述べた様に、片目の醜い顔立ちだから余計お上さんの恐怖を煽る事になった。
そこへ、異変を知ったさっきの子供が来た。
「おっ母に何すんだ!」
と、さっきの大将各の子供が怒鳴った。
勘助は慌てて
「いや!何もせん!誤解じゃ!」
「ならば、さっさと出て行け!」
子供が、母親を庇いながら、震えた声を絞り出し、母親の側に座り込んだ。
「叔父さんは誰?何の用でここに来たの?」
さっきの大将各の子供の横にいた子供であった。
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