孤児 才蔵と出逢う

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「叔父さんは怪しい者じゃ無い、さっきの喧嘩を見ていたが、その事で話を聞きたいんじゃ」 勘助はその子の目を見て語りかけた。 「大丈夫だよ、叔母さん、与作兄、悪い人じゃなさそうだよ」 震えて居る二人に、優しく声をかけた。 「おどかして済まなかったな」 勘助は三人に謝り、お上さんの肩を優しくたたきながら 「さっきの作戦は誰が考えたのかな?」 「才蔵が考えた」 与作が才蔵を見ながら答える。 「ほう、お前が考えたのか。どうして二つに分けたのだ?」 勘助が聞くと 「川向こうの三助は、猪突猛進型で回りを見る余裕が無いから、あの作戦を取った」 と才蔵はにべもなく言い放す。 「今度戦う時はどうする?」 勘助は才蔵に聞いてみた。 「今度は、回りばかりを気にするだろうから全員で正面から行くよ」 才蔵は、事も無げにさらりと言い放す。 「うむ、大した者じゃ!」 勘助は感心し 「才蔵、侍に成らぬか?わしの弟子に成らぬか?」 思わず勘助は口走っていた。
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