クリスマスの主張

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 やつらがわけもわからずひたっている優越感は、それが正しく清い行いだからじゃない、たまたまそれを他の下種どもも一緒にやっていただけだ。マイノリティーじゃなかっただけだ。隅っこに小さく固まることが怖いんだ。 ロシアの文豪だって言ってるだろう、臆病を良識か何かと勘違いしてるんだよ! 違ったか? まあいい。 とにかく俺がいいたいのはだな、諸君! 諸君は正しい! 諸君こそ高潔な魂を持つ天使たちだ! やつらはさしずめ天使のコスプレをした豚畜生ってところか。 さらにやつらを開いてみるがいい! 中に入っているのは見栄と欲望の腐りきったヘドロ、そして死んだノミみたいなしおれた魂だ! 我ら尊き魂に祝福あれ! 乾杯! そして下劣な魂に天の裁きを! くそったれ! くそったれ! くそったれ! はあ……。おいお前、お前だ、笑っているな? 嘘つくなよ、今笑っていただろう? ……いや、いいんだ。笑ってくれ、存分に笑ってくれ。所詮俺だって、やつらと一緒になって、翌日昨晩の行為を自慢げに話したいだけのクソ野郎なんだ。
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