クリスマスの主張

口では何とでも言えるがな、いざ現実に向き合っちまえば、縮み上がってへらへら愛想笑いするだけの虫けらになるんだ。何にしたって、動いたやつが勝ちなんだ。全てなんだ。動かない人間に気位はあっても価値はないんだよ。真に人間的な思想を実現しようと思って、そのために行動するとしたら、それこそ狂人にでもなるしかないさ。そうしなきゃ人間の心は耐えられないようにできてるんだ。くそったれめ！　全く俺は何を、辛気臭いことを一人べらべらと！　おい、酒をよこせ！　早く！　お前らも一本づつ持てよ！　出かけるぞ。外を歩いてるカップル共に片っ端からその酒をかけてやるんだ！　やつら今日のために、念入りに体を洗ってやがるからな、それも普段ならろくに洗いもしないとこまで神経質にだ、石鹸の匂いがするからな、匂いを頼りに歩けばすぐ見つけられるさ！　頭から酒をぶっかけてやれ！　酒臭い方がお似合いだ！　服も剥ぎ取っちまえ。どうせ脱ぐんだろうしな。そしたらその辺に転がしとけばいいんだ！　泥まみれにしてな！　白く清潔なベッドで獣の声をあげるやつらよりも、泥と酒にまみれた体をぶつけ合ってるやつらの方が、しっくりきて、きっといい絵になるだろうさ。　それを他のカップルどもに見せ付けるんだ！　これがお前たちの言う真の愛の姿だ！　これこそ貴様ら畜生の真理だ！　ってな。