『遺作』

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澤村 すいません。あの? 順子 ・・・・(澤村を威圧するように睨む) 澤村 どうも。 澤村、順子から離れたその時、一人の女性に引き止められる。 女性、杉森静子。かなりの歳である。 静子 ちょっとまってください。 澤村 は? 静子 は?じゃないでしょ? 澤村 何か? 静子 これ(手にもっている便箋)説明してくださる? 澤村 説明といわれましても、そこに書いていることが全てでして・・・・。それに奥様は確かに同意書に署名をされましたよね? 静子 それはこれが主人の直筆を認めたんです。この女だれなんですか?なんで妻である私のほかに夫の遺産が・・・・ 澤村 故人さまは奥さんとその方にも相続してほしいと・・・・ 静子 そんなこと聞いてるんじゃないんです。だれなんですか?この女は? 澤村 さぁ? 静子 さぁってあなたがこの遺書を保管してたんでしょ? 澤村 その方が生前、杉森先生とどのような関係であったかはまったく知りません。私はただ・・・・ 静子 ただ、なんですか? 澤村 ただですね・・・・困ったなぁ。 静子 きちんと説明してください。
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