Stage1

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 二人が、監獄島から出て大陸で合流を果し、十日が経っている。監獄に残ったコアリスからは、その後の経過レポートを提出されている。ただ、現在、イリスの不調で、配信が遅れがちだった。頻繁にやり取り出来ないことに不安は募るが、二人には、やることがある。それが、軍勢二千といわれるオラセルの進出を止めることだった。  ソラが歩き出す後ろで、スピカは、浮かぬ顔を隠せない。スピカが心配しているのは、平野の先にある神官領域で、オラセルが待伏せているのでは無いかということだった。然し、ソラはお構い無しに、神官領域オクラム街へと足を進める。 「二人で攻め込むのは無謀です。やはり、第三砦の方と情報を纏めてからにしませんか?」 「なら、副だけ第三砦に向かえば良い。俺は、オラセルとかいう集団を黙らせてから向かうから」  スピカの心配を余所に、ソラは、軽い口調を崩さない。寧ろ、不利な境遇に楽しみさえ窺わせる。  そもそもこうなった原因は、ソラにある。此処は二人でやるからと、オラセルと激突する筈だった政府軍を第二砦の救援に向かわせたのだ。ちなみに、第三砦は、まだ、ぶつかり合いが無く、情報交換の場所として味方が待機している。スピカは、ソラと別隊の救援に向かう政府軍を説得したが、聞いてはくれなかった。仕方無しに、スピカはソラに付き合っていると言える。
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