第二話 希望

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おそらく、石を投げつけた後に走って掴みかかったのだろう。沙樹は嫌われた訳でない事に安堵しながら、茜の後ろについた。 「あんた、何見てた?」 茜が睨むようにして、男子生徒を見る。 見てた。 その言葉に疑問を抱き、沙樹は茜に聞いた。 「見てたって…。」 「大方、女生徒の下着覗き見目当てか、ストーカーか、私の弱みを握りに来たんだろうな。」 茜はすっかり戦意喪失した男子生徒の襟を離した。座り込んだ男子生徒の頭真横に右足を入れた。 「さあ、話せ。目的は?」 男子生徒はガタガタしながら無駄な後退りをしていた。フェンスで後ろは行け無いのに。 そのせいか、ポケットから手帳のような物が丸見えだ。 「なによ、これ。」 茜はそれを引き抜くと、付箋紙が貼られたページを開く。 "中島 茜の事項"と掛かれている。次のページからはここ最近の事がびっしり書かれていた。 もう一つの付箋紙には沙樹の名前。 「あんた、やっぱりストーカーか!」 「ち、違う!」 「何が違うの!ワケを説明してワケを!」 「俺は頼まれただけだ!」 「それをストーカーって言うのよ!」 再び襟を掴んで担ぎ上げる。 と、その時。 「あの…ちょっと良いかしら?」
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