12人が本棚に入れています
本棚に追加
川の真ん中。流れが早く見える。だが、実際はそうでもない。
実際に流れが早いのはその周り。橋の下の辺りには排水管が繋がり、付近の生活用水路から流れている。
それが影響してから両岸は流れが早い。だが距離があればいずれ全てが早くなるはず。
排水される水は扇状に広がるのだ。
だが子供はその流れが早くなってるだろう場所の前にいた。急げば間に合う。
「あんた。」
茜は近くの男性を指差した。
「救急車。そこの人はAEDを。」
そう言うと、茜は手すりによじ登る。体が持ち上がると、そのまま飛び込んだ。
高さはビルの二、三階前後。
ザブンと音を立てて飛び込むと、すぐに地面に着いた。泥の地面を蹴り、急浮上。
「ぷはぁ!」
水面から顔を出すと子供を見つける。急いで首に手を回して引っ張った。
しばらく流されるものの、無事に岸にたどり着いた。子供を岸に上げて、自分も岸に上がる。
そして、荷物を取りに橋に戻る。
途中、野次馬たちとすれ違うが、誰一人として茜の顔を見ない。見ようともしない。
道端の上着を広い上げて茜は帰路に着いた。
その後ろ姿を見ながら一人の少年が携帯電話で電話をかけた。
「会長、彼女は丸です。」
最初のコメントを投稿しよう!