01:紅い喧嘩師

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「依頼ぃ?」 僕の言葉に彼は眉をひそめる。 「あーなるほど依頼、依頼ね……。わかったわかった、じゃ早く現場につれてけよ。ちなみにお前名前は?」 現場? 現場ってそんな事件現場みたいな…… と思ったが、彼はあくびをして立ち上がり、玄関の方へ歩きはじめたので僕も続く。 「……イカロスです」 「イカロスね。イカでいっか」 「いやよくねぇよたかが四文字なんだから普通に呼べよ」 「刺身とか美味そうだよな」 「僕は函館で朝方売られてませんからね」 「まあそんな怒るなよイカ」 「だから僕は半透明な魚介類じゃないです」 「過激に、極端に、急進的に、根本的に解決してやっからさ」 人の話きいてねぇよこいつ。 妙な油臭さと、機械の臭いが充満していた。 そこは帝都のはずれにある、言うなれば街工場だった。 ただ人間界と違うのは、つくっているモノ自体だろう。 「ロイ! ローイ!」  
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