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「依頼ぃ?」
僕の言葉に彼は眉をひそめる。
「あーなるほど依頼、依頼ね……。わかったわかった、じゃ早く現場につれてけよ。ちなみにお前名前は?」
現場?
現場ってそんな事件現場みたいな……
と思ったが、彼はあくびをして立ち上がり、玄関の方へ歩きはじめたので僕も続く。
「……イカロスです」
「イカロスね。イカでいっか」
「いやよくねぇよたかが四文字なんだから普通に呼べよ」
「刺身とか美味そうだよな」
「僕は函館で朝方売られてませんからね」
「まあそんな怒るなよイカ」
「だから僕は半透明な魚介類じゃないです」
「過激に、極端に、急進的に、根本的に解決してやっからさ」
人の話きいてねぇよこいつ。
妙な油臭さと、機械の臭いが充満していた。
そこは帝都のはずれにある、言うなれば街工場だった。
ただ人間界と違うのは、つくっているモノ自体だろう。
「ロイ! ローイ!」
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