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「しかしそれでは我らも『悪魔』になりますでしょう」
「確かにそうだ。向こうでは我らも『悪魔』と何ら違わん。だからこそおもしろいではないか」
やはり納得できないらしく、二人は首を傾げるばかりだった。
苛立ちを隠そうともせずに、コウは右手に球体を創りだし二人に命令する。
「いいから我に力を貸さんか!!」
彼は強引な性格だった。
「……承知致しました」
「御意」
二人はしぶしぶ球体に手をかざす。
「………本当に身勝手な方です」
「今に始まったことではあるまい」
二人がこっそりため息をつく頃には、球体は大きくなっていた。
さらに大きくなり、空間にシンクロしていくように球体は背景に溶けていく。
「なんだ、今更知ったのか」
そんなため息をしっかり聞きながらも、得意げにするこの彼の気まぐれで――
魔界はかくして独自に発展し―――
―――今の魔界となったのである。
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