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部屋の中は暗かった。
電気はないのか? いや、それ以前にもしかしたら留守だったのか……
………いや、いた。
「あ、あの……」
奥の、社長室にあるようなデスクとイス。のイスに座り、上からジャケットをかけて目を閉じている、紅い髪の悪魔がそこにいた。
短髪で、顔は傷だらけだ。
「依頼したいんですけど………」
近くまでゆっくりと歩いて話しかけるも、一向に答える気配も動く気配もない。
もしかして……
「ね……寝てる………」
どうやら寝ているようだ。
いやなんで寝てるんだよ。営業時間中じゃないのか今は。
「すみませんあの依頼……」
「くか―………」
「…………」
段々と怒りが込み上げてきた。
いくか?いっちゃうか?
僕は部屋に置いてあったハリセンをそっと装備する。
「いい加減起き」
「んー!」
「!」
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