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僕がまさにハリセンを振り上げたその時、やっと彼は動き出した。
慌ててハリセンを後ろに隠す。
「………ん?」
「あ、どうも」
睨まれて愛想笑いをしてみるも、彼はそのまま鋭い視線を向けてくる。
やばい、どうしよう。
僕はこの状況だけみるとただの空き巣ともとれないか?
で、起きない確認しようとして見つかった、みたいな……
「お前」
「はいぃぃ!!?」
いきなり口を開かれたので、僕は飛び上がるように返事をした。
「………新聞の勧誘か? なら帰れ。オレは新聞みねーから。宗教の勧誘でも無駄だぞ。オレのとこは無信教だからな」
僕の無駄な心配だったようだ。
「違うわッ!! つうかここ魔界だろうがなんだ宗教の勧誘って!! ありえねーだろなんで悪魔が宗教の勧誘してんだよ!!」
「じゃあなんだよ、冷やかしか? シバきあげるぞガキ」
「だから違うっていってんだろーが!! 僕は貴方に依頼持ってきたんですよ!!」
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