01:紅い喧嘩師

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僕がまさにハリセンを振り上げたその時、やっと彼は動き出した。 慌ててハリセンを後ろに隠す。 「………ん?」 「あ、どうも」 睨まれて愛想笑いをしてみるも、彼はそのまま鋭い視線を向けてくる。 やばい、どうしよう。 僕はこの状況だけみるとただの空き巣ともとれないか? で、起きない確認しようとして見つかった、みたいな…… 「お前」 「はいぃぃ!!?」 いきなり口を開かれたので、僕は飛び上がるように返事をした。 「………新聞の勧誘か? なら帰れ。オレは新聞みねーから。宗教の勧誘でも無駄だぞ。オレのとこは無信教だからな」 僕の無駄な心配だったようだ。 「違うわッ!! つうかここ魔界だろうがなんだ宗教の勧誘って!! ありえねーだろなんで悪魔が宗教の勧誘してんだよ!!」 「じゃあなんだよ、冷やかしか? シバきあげるぞガキ」 「だから違うっていってんだろーが!! 僕は貴方に依頼持ってきたんですよ!!」  
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