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「優也、好きよ。あなたなら、上手くやれるわ……だってあなた程完璧な男は居ないもの。 あなたがどれだけ女の子から騒がれているか知ってるでしょ?」 「君もね」 「私達、最高に似合いのカップルだわ」 華音は優也にキスをした。優也は華音を抱きしめると、華音は再び優也の首に両手を回した。 翠は図書室を飛び出して下駄箱まで早足で歩いていた。 優也が新学期始まってからというもの、毎日図書室に通ってきていたのは知っていた。 去年、愛好会にシナリオを渡した所、思った以上に好評で愛好会のメンバーが思った以上に動ける人達だった事から、 翠は演出と演技指導をした。 そしたら上手くいってしまい、文化祭に大会までいき3位という成績まで残した。 愛好会のメンバーは祝賀会を開き、翠もまた嬉しかった。 だが、大会が終わってからというもの、 演劇部顧問の里澤からは目をつけられ、他の演劇部員からも嫌みを言われたりしている。 そんな中だったから、副部長である優也も嫌みの一つでも言いに来たのだと思っていた。 が、毎日毎日優也は図書室に通い、決まって翠の斜め左の席に座って本を読んでいるだけ。 時折、何か言いたそうな顔をして翠を見てた事も分かってた。 何故なんだろうと考えるうちに、彼が欲しいのはシナリオだと気づいた。 確かにそれなら話しにくいだろう。 だって翠は、愛好会にシナリオを書いているのだから。 優也はどこへ行っても人気者で、校内には彼のファンクラブがあるし、愛想も良い。 それに、優也は容姿端麗なだけではなく運動神経も良い上に勉強も出来る。 それから、同じく校内でファンクラブもある三嶋華音と付き合っていた。 彼女の長いブロンドの髪や、可愛いというより綺麗な顔立ちに白い肌。 振り返らない男などいない魅力的な瞳はカリスマ性があった。 彼女は2年にして演劇部部長である。 そして、翠は華音が嫌いだった。
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