お星さまが瞬いた。

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ママはねお星さまに なったんだって パパがわたしに教えてくれた だからね毎晩毎晩 ママに話しかけるんだ ほら キラキラ 瞬いた 今日は良い子にしてたから ママが褒めてくれたんだ 土砂降り。 わたしがパパなんか 嫌いって言ったから ママが泣いてるの ごめんね。パパ、ママ 今日は咳が酷いから ベランダに出ちゃダメだって パパに言われたの 今日はママに会えないの 明日は会えるでしょ? ってパパが言ったから 布団に潜った 不思議な夢を見たの 嗅いだことがある 独特な匂いと ピーポーピーポーって 救急車の音。 うっすら目を開けたら パパが目の前で泣いていた 何度も何度も わたしの名前を呼ぶの パパ? どうして泣いてるの? 笑って、笑って。 そう言ったらね パパが泣きながら 笑ったの ふふふ、パパ変なの 泣きながら笑ってる わたしが笑ったら パパは泣きながら 愛してると言った 今日のパパは なんだか変だよ パパがあまりにも 悲しい顔で笑うから 大好きだよと言った そしたらパパが泣き崩れた どうしたの? 辛いことでもあったの? パパの手を握ろうとした あれ? 体が動かないよ おかしいな それにすっごく眠くて 目を開けてられないの ごめんね、パパ… そう言ったつもりなのに かすれた息の音しかしなかった あれ…? 声が出ないよ パパ…パパ… 体が悲鳴をあげている 涙が溢れた すごくすごく恐くて 不安な気持ちになった パパがわたしを 抱きしめた すっごくすっごく 暖かかった 体が楽になった気がした 声は出なかったけど これだけは伝えたかった "パパ、ありがとう" 起きたらいくらでも 言えるはずなのにね おかしいよね。 遠くの方で パパがわたしを呼ぶ声と ピー という機械の音が 聞こえた  
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