お星さまになった君

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    僕の妻はお星さまになった そう娘には教えたんだ 娘の陽菜は 毎晩毎晩空を見上げて 「あ、ほら!お星さまが瞬いた!」 って目をキラキラさせて 微笑む顔が妻にそっくりで 愛しくて愛しくてしょうがない 僕には陽菜しかいないから 陽菜を大切にしてきた でもあの日… 朝から咳が酷かったから 心配はしていた だから早めに寝させた 夜中 陽菜がぐったりしていた 呼吸もできていない 混乱した 妻が残してくれた 大切な命が消えかかっている 大切な陽菜が僕の前から 消えようとしている すぐに救急車を呼んだ 病院に着いたとき 手遅れだと思った もうこれ以上 陽菜を苦しませる 必要はないと思った  
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