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「この住所はここを右へ行けば着きますよ。」
そう答えられて、Qは笑顔で会釈する。ヒツジに渡された紙、そこに書かれた住所の居場所がわからずバイクを止めていた。
Qは「わからないなら聞いてみよう」と、バイクから降りて公園を歩いていた女性へ尋ねたのだ。女性は犬の散歩をしていたようで、ひとり。
「聞いて大丈夫か?」小さな声で、Qへ言うが、彼は大丈夫だと押しきる。
【corporation】の追っ手を完全に撒いたわけではない、この女性と接触したことがバレれば、俺たちが向かう住所なんて簡単に吐かれてしまう。
「あと、すいません。
もうひとつ頼みたいことがあるんですけど?」
───何を言う気だ!?
Qはいきなり再び女性へと話し掛けるではないか。
制止させようとするのも間に合わず、女性は「なんでしょう?」と聞き返す。
「――俺たちを忘れてくれると助かるぜ??」
Qの笑み────俺が声を出す前に、Qは彼女の頭を鷲づかみする。女性は力なく、地面へとゆっくりと身を落とした。
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