雪の日

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あっ、あの部屋別の人が住んでる。 ・・・・・。 ん? 駐車場に雪だるま? このアパート子供いたっけ? 家族が引っ越してきたのかな? あたしは近づいてみた。 この雪だるま・・・ 赤いバラ持ってる。 雪だるまの手には赤いバラが一輪刺さっていた。 誰だこんなことするのは。 このアパート周辺も治安が悪くなったな。 帰ろうとすると頭に冷たいものが当たった。 「いたっ!」 振り返るとそこにはジンが立っていた。 うそ・・・・ うそでしょ? 「どこ行くんだよ。この雪だるま無視して。」 うそ。 涙でジンと真っ白な雪景色が ぼやけて何も見えない。 「うっ、うう。」 あたしは手で顔を覆った。 「雪子・・・、ごめんな。」 ジンの近づいてくることを見張らかって雪をつかんでジンに投げた。 「いてっ!おまえ嘘泣き?」
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