雪の日

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「・・・・・・」 「雪子には灰色になってほしくないよ。お母さんは。」 だって・・・会いたくても 会えないもん。 どうしたらいいのよ。 その後も雪は降り積もり、次の朝には外は銀世界になっていた。 「雪子、前のアパートの大家さんに挨拶してきたの?」 お母さんが味噌汁を作りながら言った。 「言ってない・・・だって菓子折りなんか買ったことないし。」 「お母さん買っておいたから行っておいで。もう関係ないだろうけど助けてもらったときもあるんだから。ちゃんとしないと。」 「・・・はーい。」 あたしは雪を踏みながら歩いた。 純粋な真っ白な何にでも染まってない白。 サクサクサクサクサクサク 会いたい。 ホントは会いたいの。 会って抱きつきたい。 これがあたしの ホントの気持ち。 大家さんに挨拶が終わって帰ろうとしたが、なんか気になって住んでいたアパートに寄ってみた。
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