0人が本棚に入れています
本棚に追加
「つまり転校したいのか」
「あぁ……って、何でだよ!」
親父は真顔で急に転校なんて口走りやがった!この時点で俺は今までの経験から「じゃあ転校しよう」という流れに行き着くのではないかと考えた。
いや、まさか、このクソ親父様でも問題も起こしてない(告げてないだけの)俺を急に転校とか言い出す訳が…
「じゃあ転校しよう」
言いやがったよ!このクソ親父様!そういえば昔から急なことを言い出すのが親父だった。それも全て実行されてきたもんだ。
「ちょっと待て!何で転校なんだよ!転校なんて普通問題起こした不良生徒か、いじめに悩まされた生徒か、親の転勤理由だろうがぁー!」
俺の必死の叫びも親父には全く届いていない。何か「ふむぅ…」とか言ってるし…
俺が顔をひきつらせていると、親父の隣にいた母さんが口を開いた。
「まぁまぁ悠(ゆう)落ち着いて。転校にも理由があるのよ。悠に勧めたい場所があるから」
「俺に勧めたい場所?…また変なとこじゃねぇの?」
以前は、「あの学校で頂点(テッペン)取ってこい!」とかいって無理矢理不良しかいねぇ学校にぶちこまれたしな…
またろくでもねぇ所に違いない…
「今度は大丈夫よぉ。あなたの幼なじみも通ってる学校だから」
「は?幼なじみって陽菜のことか?そういえばあいつってどこに…」
そういえば長いこと会ってないな。最後に会ったのはいつ何処でだったか…
最初のコメントを投稿しよう!