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顔を朱に染めた零…
小刻みに震え
その瞳は僅かながら潤ん…ん?
『っっ…っんっ…きゃはっ…あはっ』
目を逸らし縮こまる
『駄目ぇっくすぐったいよぅ』
手を引っ込める零を、逃さぬよう身を乗り出し迫ろうとした時…
『りょっ龍馬さんっ顔に…顔に…髭っうふふふふっ』
『むぅっ?髭なら今朝方あたったがや…?』
突然のふりに戸惑った隙に、するりと逃げられてしまった
『んもぅっ。怪我人はもう少し大人しくしてくださいよ。今、水桶を持ってきますね♪ふふふふっ』
こうなると、もう迫る雰囲気は消えてしまう
『いや…零…わしは別に』
暫し後で零が用意した手桶の水面に映るわしには
鼻の下に無様に墨髭がついちょった…
台無しじゃ。
わしの阿呆ぅ。
第一章【終】
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