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宙を切る
傷だらけの左腕が
曖昧な今を繋ぐ 唯一の証
誰だったっけ？
この左腕を【恐い】と呟いた
平凡に人生を歩む誰かがいた
だけど、僕にはね
この左腕を『恐い』と言った
君の貼り付けた笑顔の方が『恐い』よ
誰だったっけ？
この左腕を【汚い】と囁いた
平坦な日常を過ごす誰かがいた
だけど、僕にはね
この左腕を『汚い』と言った
君の嘘だらけの言葉が『汚く』見えるよ
誰だったっけ？
僕の左腕を『哀しい』と泣いた
平和に日々を送る誰かがいた
だけど、僕はね
君のいつも痛みに耐えて築き上げた
平和の方が『哀しい』と泣いたよ
そんな世界だけど
そんな世界だから
誰かの貼り付けた笑顔も
誰かの嘘だらけの言葉も
誰かの痛みに耐えて築き上げた平和も
僕の左腕の傷跡も
美しく誇らしげに
見える時があるの
_
南＋黒猫
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