本編

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ユリの飾られた花瓶。 クリ-ム色のカ-テン。 レトロな時計。 綺麗な髪飾り。 …俺の、笑った顔。 何十枚もの写真を手に、 今日も彼女のもとを訪れる。 大丈夫。 何があってもきっと笑える。 俺が、お前を愛してるから。 何も問題はない。 そうだろう? コンコンッ この扉を叩いたのは 何度目だろう。 そして、開けるのも。 ガララ……… 俺の愛しい人。 この先どんなことがあっても。 俺はお前を愛し続けるよ。 「はい。 …………どなた?」 たとえリセット されたとしても。 また一から始めればいい。 「――はじめまして。 俺は―――――――‥」 そう、あの日みたいな 最高の笑顔で。 お前に写真を届けるよ。 だから、笑って。 たとえお前がリセットの ボタンを押し続けたとしても。 俺はスタ-トのボタンを 押し続けるから――――‥。 【END】
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