出逢い

2/8
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
今日もいつもの様に母親に起こされ、朝が始まる。 朝ご飯を食べなくなったのはいつからだろう…? 覚えていない。 顔を洗って、寝癖を直し、歯を磨いて、ボー…と家を出る。 チャリに乗り、学校へ向かうのだが、 「雪降ってたのか…」 これは滑りそうだ。 面倒だから歩いて行こう。 毎年冬になるとこんな感じだ。 毎年歳は取るのに特に何も変わらない。 一面の銀世界に感動することもなく、一歩を踏み出す。 ミシ…と雪の結晶が潰れる感覚が心地よい。 「あの…」 「おっ……」 …かなりびっくりした。 肩がビクッてなり過ぎてなかったかが気になる。 ゆっくりと振り返った。 「道に迷ってしまったのですが…」 …女の子だ。 細くて、肌が真っ白い。 「豊高校ってご存知ですか…?」 …豊高校。 「僕、今から行きますよ」 1年生かな…? 「一緒に行きますか?」 彼女はニコォと笑って頷いた。 「はいっ!」 …おお、なんか可愛くて照れるな。 軽い茶色のまん丸なボブヘアーがまた可愛らしい。 「あー…じゃあ、行きましょうか」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!