本編

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無表情な彼は、 私が俯いている事を 気にもとめず、そう言った。 無愛想で 無口 常に眠たそうにしていて まるで、猫みたいな川島。 時々、私の相談に のってくれていた川島。 不器用なりに、 励ましてくれた川島。 そんな川島は、 大好きなあの人の 親友で。 いつも 私のそばにいてくれた優しい人。 「 とうとう失恋しちゃった 」 「 …ん 」 「 ……相談にまで   のってもらったのに、   何か…ごめんね 」 「 ……… 」 へへ、と笑う。 無理矢理しまい込んだ涙は、 少しでも気を緩めるとすぐにでも 出てきてしまいそう。 でも 川島には見られたくない 弱いとこなんか、見せたくない 最後まで応援してくれたから。 どんなに惨めでも どんなに悲しくても 笑わなくちゃいけない。 笑顔で 「 ありがとう 」 って、伝えたいから。    
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