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リュウジュはマダツボミの塔を見上げる。同じ視界に見える空はあんなにも青く清々しいのに、どうして俺の心は真っ黒でドロドロなんだろう。
リュウジュ「吐き気がして来た」
関谷「マダツボミ(笑)」
リュウタ「何で笑ってんの?」
関谷「だってwwまだ蕾なんだよwww」
リュウタ(気持ち悪い…)
石川「キモい」
エイジュ「何かこう見上げてると、テンション上がって来ない!!?」
関谷「分かるwwwウハッww」
リュウジュ「上がんねーよ馬鹿!!寧ろ急降下だわ!!なぁリュウタ」
リュウタ「ヤベ…俺も何かテンション上がってきた!!!登りたい!!登りたくて仕方がない!!」
石川「このふざけた塔をブッ壊すぞぉおお!!!行くぞぉおおお!!」
リュウジュ以外の四人は奇声に似た雄叫びをあげて塔に入って行った。
リュウジュ「是非もなしかい畜生…」
泣く泣く塔に突入するリュウジュであったが、入って早々ある事に気付いた。
リュウジュ「…揺れてね?」
真ん中にある大きな柱が、目に分かる程揺れている。
リュウタ「微妙に揺れてるし…何なんだよ…」
リュウジュ「テンションすげー下がってんな」
石川「こんな脆そうな塔なんて壊しがいがない…」
リュウジュ「さっきからお前だけ目的違うから」
リュウタ「帰ろう」
リュウジュ「だな」
テンションが下がりに下がった一同は塔を出て次の町に向かおうとした。
去りがけに関谷が塔に一瞥を送ると何やら先とは違う光景が目に入って来た。
ドラゴンタイプのポンスターがマダツボミの塔を旋回しているのである。
ドラゴンの動きが止まったと思ったら、次いで激しい閃光が放たれた。
エイジュ「バルス!」
関谷「ぐわぁ~目が!目がぁ!」
リュウジュ「お~穴が空いて、火の手もあがってら」
リュウタ「面倒事っぽいし、早くずらかろう」
エイジュ「あのドラゴンタイプのポンスターって確か…この前博士の研究所を襲った女と一緒にいたような気がする」
リュウジュ「気のせいだって」
エイジュ「いーや!!絶対そうだ!!思い出した!!あのゾクゾクしちゃう程の冷たい眼差しを送ってきた女も一緒だって!!」
リュウタ「そういや見付けたら、縄で縛って博士が突き上げるって……あ、間違えた。縄で縛って博士に突き出さなきゃって話だったよな」
リュウジュ「何故間違えた」
石川「つまり殺して良いんだな?」
リュウタ「殺したら博士が突き上げられ……間違えた。博士に突き出せないだろ」
リュウジュ「……」
石川「分かった」
リュウタ「よし!!さっさとあの女を縛り上げて突き上げッ…間違えた」
リュウジュ「ワザとなの?」
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