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おまけに ご丁寧にひらがなで 振りがながふってあります。
「ひどい!!」
お満さんは 持っていたハンカチで ごしごし拭き始めました。
しかし 悲しいかな カマボコ板改め 標札は拭けば拭くほど、ますます汚くなるばかり。
「もういいよ。お満 こするな。心配しなくても、俺がもっと立派な標札を買ってやるぜ!」
恋次郎の言葉に拭くのはあきらめ 標札は元のカマボコ板に戻り 可燃ごみに。
気を取り直して 家に入ると 部屋はほこりがたまり ずいぶん 汚れてしまっています。
「お満 こ汚いなぁ……。」
恋次郎のぼやきもなんのその。
お満さんは 張り切って 掃除を始めました。
「俺は生まれ変わったんだ。立派なJリーガーになるためにも 立派な夫になるんだ!!」
立派な役立たずだった恋次郎。
気合いだけは充分でしたが、もちろん 掃除などしたこともなく ただうろうろと お満さんの後をついて歩くばかり。
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