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淑子
『としこ!めしっ!』落ち着いた素振りで、ゆっくりと立ち上がり『今、ご用意しますね』と、気品あるその女は言った。11時を回ったばかりだ。『あの、奥にいらっしゃる方の、も、かしら?』とその女は言う。『あっ、あの女は大丈夫だ。いらねぇよ。構わず作ってくれ』あんたは両手を後ろにつき、体を後ろにもたれなからアグラをかいて言った。『はい』と女は、上品に振り向き、少し身をかがめながら、空気の抜けるような上品な声で返事をした。あんたはご満悦だ。上品な身のこなしに、体の綺麗な線が、洋服の上からはっきり分かる。膝上のタイトスカートが、ウエストから尻、膝裏にかけて熟女感たっぷりだ。計算高い。あんたは、興奮を味わいたかったんだ。そんな状態で放置するはずもなく、彼女の後ろから前に、左手を胸元にいれ体を押さえると、右手は乱暴にスカートの裾をすごいスピードでまくり上げた。あんたのその乱暴なところに、女達は惹かれてやってくる。台所は情事中だから、アタシは、その脇を通って大好きな『場所』へと向かう為に靴を履く。『おい、帰ってくるのか?』アタシは靴を履きながら、女のあえぎ声を後ろに『明日までには帰るよ』と言って、玄関を出た。
あんたは本当に、最高に格好いい男だよ。
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