橘家

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橘家

『アタシ、ここの出』 高級な家が建ち並ぶ住宅地にアタシと彼はいる。そこにある、一件の家をアタシは指さしいった。『ねぇ、あんた、聞いてた?ここ、アタシんちなの』すると、あいつはうざったい様子で『おめぇ~んちじゃネェだろ。嘘こいてんじゃねぇー。いくぞ!』あいつは鼻で笑ったから『わかっちゃたぁ~』とおどけてみた。信じないと思った。案の定そう。でも、本当。アタシ、お嬢様育ちなんだ。今は見る影もないけど。父さんが再婚して、義母と合わなかったから、嫌になって出た。16才のときに。今では、あばずれた自分が大変気に入っている。金持ちは、あるいみ、貧しい。アタシは、今日も人生の勝ち組として、都会を歩く。
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