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盛一は作戦の説明に話を戻した。
話によると、壁の向こうに生存者が居るらしい、救助隊と後方支援の二手に分かれて救出を行うらしい。
翔と沙織の班は後方支援にあたる事になった。
盛一の号令で、各班が装備を確認し始める。
それが終わると、救助側の班はゲートの前に集まった。
翔や沙織達の後方支援チームは、高さ十メートル以上の壁の上へと登る。
「さっきは怒鳴って悪かったな!
お前だけを特別扱い出来ないからな。」
盛一が翔の肩を叩いた。
「別に気にしてません。
遅れた自分が悪いので。」
「そうか!
お前もすっかり大人になったな。
それに2人の時は敬語は使わなくていいぞ。」
「まぁそうだけど…。
一応任務中だから。」
翔はスナイパーライフルを担いだ。
「翔さん!
早くしないと場所取られちゃいますよ!」
遠くから部下の声が聞こえた。
「じゃぁ行ってきます。」
翔は盛一に軽く頭を下げた。
「あっ!
今日物置でオヤジの日記見つけた。」
振り向き盛一に言い、また走り出して行った。
孝之の日記か…
懐かしい名前に盛一は少し感傷的になった。
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