救出

3/14
前へ
/600ページ
次へ
盛一は作戦の説明に話を戻した。 話によると、壁の向こうに生存者が居るらしい、救助隊と後方支援の二手に分かれて救出を行うらしい。 翔と沙織の班は後方支援にあたる事になった。 盛一の号令で、各班が装備を確認し始める。 それが終わると、救助側の班はゲートの前に集まった。 翔や沙織達の後方支援チームは、高さ十メートル以上の壁の上へと登る。 「さっきは怒鳴って悪かったな! お前だけを特別扱い出来ないからな。」 盛一が翔の肩を叩いた。 「別に気にしてません。 遅れた自分が悪いので。」 「そうか! お前もすっかり大人になったな。 それに2人の時は敬語は使わなくていいぞ。」 「まぁそうだけど…。 一応任務中だから。」 翔はスナイパーライフルを担いだ。 「翔さん! 早くしないと場所取られちゃいますよ!」 遠くから部下の声が聞こえた。 「じゃぁ行ってきます。」 翔は盛一に軽く頭を下げた。 「あっ! 今日物置でオヤジの日記見つけた。」 振り向き盛一に言い、また走り出して行った。 孝之の日記か… 懐かしい名前に盛一は少し感傷的になった。
/600ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2606人が本棚に入れています
本棚に追加