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「うぅ~、ひっぐ‥‥‥! ぐすっ‥‥‥!」
夕焼けの公園でわたしは泣いていた
ベンチに座り、一人で泣いていた
ーーーどうしたの?ーーー
不思議な声がわたしに話しかける
周りには誰もいない
再度、声は聞いてきた
ーーーどうしたの?ーーー
「わたしのーーーーーーー」
わたしは涙声で答えた
でも、泣いていた理由は自分でも思え出せない
悲しい事があったのか、怪我でもしたのか、それさえも思え出せない
「そっか。それは悲しいね」
いつの間にかわたしの目の前に子供が立っていた
その子供は中性的で不思議な声をしていた
顔は‥‥‥覚えてない
「でも、もう泣かないで。キミが泣くと、世界が悲しむ」
子供はわたしの頭を優しく撫でてくれた
それがとても心地よくて、わたしの涙は止まっていた
「あり、がとう‥‥‥」
お礼を言うと、子供は小さく笑った、気がする
「いいね、キミ。なかなか気に入ったよ。もっとキミの事を聞かせてよ」
子供はわたしの隣に座り、いろんな事を聞いてきた
好きな食べ物とか、苦手な物とか、そんな小さな事
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