---.prologue

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とある宇宙の片隅に、命に満ちた星があった。 水と緑に覆われた楽園。 地には草木が茂り、数多の生物が闊歩し、海には計り知れない神秘が渦巻く。 巨大な太陽が昼を照らし、青白く儚げな月が夜を彩る。 美しく壮大な青の惑星(地球) 自然に満ち、自然に生き、自然に死ぬこの地球には、《支配者》がいた。 《人間》 彼等には翼もなければ、強靭な肉体もない。 ちょっとした怪我で死ぬし、子供が成長するには何年もかかる。 極端な気温にも弱いし、しばらく何も食べなければ餓死する。 水に潜り続ければ窒息するし、猛獣に襲われれば一たまりもない。 こんな一見短所だらけの脆弱な生物が、なぜ支配者となりえたのか。 答えは簡単。 それらを覆すだけの長所があったからだ。
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