---.prologue

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彼等の祖先は二足で歩き、自由になった二つの手で物を扱う《器用さ》、そしてそれを有益に利用する《知性》を持っていた。 それは偶然や容易な気持ちで得たものではなく、何百代もの命達の、幾重にも絡まる奇跡や努力によって得た産物。 この突出した器用さと知性は彼等の生活を豊かにした。 武器を用いる事で、今までは敵わなかった強大な敵にも負けはしない。 生活をより快適にするための道具を作った。 火をおこして敵を掃う事も、肉等を調理する事も覚えた。 数えきれない程の《初めて》を知った。 その内、初めてと初めてを掛け合わせて、新たな初めてを創り出したりもした。 それはとても素敵な事で、一つ一つの発見に心を震わせた。 沢山の初めては彼等の中で堆く積み上げられていき、最終的には地球の支配者となった。
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