0人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
彼等の祖先は二足で歩き、自由になった二つの手で物を扱う《器用さ》、そしてそれを有益に利用する《知性》を持っていた。
それは偶然や容易な気持ちで得たものではなく、何百代もの命達の、幾重にも絡まる奇跡や努力によって得た産物。
この突出した器用さと知性は彼等の生活を豊かにした。
武器を用いる事で、今までは敵わなかった強大な敵にも負けはしない。
生活をより快適にするための道具を作った。
火をおこして敵を掃う事も、肉等を調理する事も覚えた。
数えきれない程の《初めて》を知った。
その内、初めてと初めてを掛け合わせて、新たな初めてを創り出したりもした。
それはとても素敵な事で、一つ一つの発見に心を震わせた。
沢山の初めては彼等の中で堆く積み上げられていき、最終的には地球の支配者となった。
最初のコメントを投稿しよう!