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器用で、頭が良くて、多くを記憶出来て、向上心が高い。
そんな新たな支配者は、多くの文明を築き、長い歴史を紡いだ。
その永い時の中で大地を耕し、水を引き、家屋を建て、命を育んだ。
豊かな生活。
それが何年も何代も続いた。
いつからだろうか。
それぞれの得手不得手、雄雌で役割が分かれたのは。
一人一人が違う名前を持ち始めたのは。
自分達の種族としての名前を《人間》と名付けたのは。
どれもいつの間にかだった。
明確な目的が在るわけでもなく、生活が続いていく内に自然と刷り込まれていった事柄。
《器用さ》や《知性》を求め、進化の果てに手に入れたものとは違っている。
自然と得ていた長所。
その自然な長所の中に、一つ《異能》がある。
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